桃の節句
今年で数え年9歳の桃の節句。
いつの間にこんなに大きくなったのと一瞬立ち止まって驚く。
たまに冗談で、「もうこれ以上大きくならないでよ」と笑って言うと、「じゃあ赤ちゃんに戻るよ」と会話を私に合わせてくれる。
意外に大人。多分私はお友達だと思われている。
だって大きくなってしまったら、私のところからいなくなっちゃうでしょう。
できるだけ長い時間、一緒にいたいんだよ。
たまに昔の写真を見ながら、夫と「このころほんとにちいさくてかわいかったねぇ」なんて話していると、「じゃあ今はもうかわいくないの?」と、ちょっとだけおこりながら会話に入ってきたりして、「まあ今もかわいいよ」と結局最後はみんなで大笑い。
きっと大人になってもかわいいんだろうと思う。
このお花はあなたのためだけを想って束ねたよ、と伝えると、にっこり笑ってスイートピーの香りをくんくん。
トップフローリストの腕前があるわけではないけれど、この時ばかりは自分の大切な人のために自分の手で花を束ねられる技術を持っていてよかったと心底思う。ハンドメイドは人の心をあったかくする魔法だ。
あたりまえのように穏やかな日々がここにあるけれど、これって当然のことではないんだよなぁ。
きっといろんな人たちの恩恵があって、自分の暮らしが成り立っている。
ようやく落ち着きだしたとおもった世界も、新たに悲しい出来事がうまれてどうしてなんだろうと思う。
そして自分にはいったい何ができるのだろうと考える。
ちっぽけでどうしようもなく力がないな、と愕然としたりもする。
大それたことはできないと思う。
だけどせめて自分がかかわる人には幸せでいてほしいから、できるだけ大切にできるように心を尽くそう。
最後にケーキの選びあいっこ。
チョコと指定された菫さんは、結局ゲキシブの抹茶。
背中のチャックを開けたら、もしかしておばあちゃん入ってる?