イヴ・ランボーさんのカフェオレボウル
高校まではアルバイト禁止の学校だったのと、部活やらなんやらで買い物やおしゃれにうとかった私は、大学に入ってアルバイトを始めて自分で自由に使えるお金ができたときに、はて何が欲しいかな、、、とふと考えた。
思い返せばもともとそんなに着飾ることには興味がなくて、家にいるときは本を読んだり手紙を書いたり、部屋の中を整理したり模様替えしてみたり、どちらかというと家でどうすることが心地よいかということを考えて過ごすことが自然なことだったと思います。
そんな私が自分のお小遣い(アルバイト代)で定期的に集めていたのが、食器や器。
陶芸をやっている人が身内にいるわけでもないし、強い結婚願望があったわけでも料理好きだったわけでもなかったのですが(なんだったらお手伝いも積極的にすることもなかった・・)、どういうわけか昔から心惹かれるものがあったので、どうしてだろう??と最近までその自分の行動の意味や興味の理由がよくわからなかったのですが・・・。
父も仕事で海外に行ってはその土地の食器をお土産に買ってきたり、母も陶器市などに出かけてはお気に入りの器を家に買ってかえっていたのをふと思い出し、妙に納得しました。
久しぶりに会いたくなって、大好きな器たちを並べてみました。
あの頃1か月に1個、毎月集めるのが楽しみで、数を数えると3年ちょっとの期間集めていたみたいです。
この器はフランスの陶芸家、イヴ・ランボーさんという方が制作されていたものです。
18歳とか19歳くらいの自分が、こういう器を「いいもの」と感じていたことに驚きです。
なかなか渋い趣味。
薄いつくりで、実際に食器として使うときにはくちあたりもよく、いまなかなかこういったものにはお目にかかれない気がしています。
釉薬のかけ方に遊び心を感じます。きっと心から楽しみながら作っていらしたのだろうな、、ということが、温かみのある色味やフォルムを見てもわかります。
今も作陶されているのかはわからなくて、そもそもお元気にされているのかどうかもわからないのですが、美しい器と出会えたことがとても幸せです。
このカフェオレボウルたちは、わたしにとってのあこがれそのもので、いつか自分も誰かにとってこんなふうにずっと大切にしたいと思えるものを作ってみたいな、と、(花屋ですが)夢見ている私です。