母の日は年に2回
奈良の特産品として有名な、蚊帳生地。
以前からお台ふきを使わせていただいていましたが、蚊帳生地をつかったお洋服もあると知り、「見たい!さわりたい!」と興味津々で京都にあるお店をたずねました。
趣のあるたたずまいのたてものにワクワクします。
ひとりでさくさく歩いていく人。相変わらずの自由人です。
こちらではランチをいただくこともできます。
デザートを待っている間に、座席から見える景色にうっとり。
とりわけ窓から見えるアジサイはとてもうつくしく、カメラマンの腕がうなっていました。
どんな感じでしょう?
こちらがスーカメラマンのお写真です。
お昼をいただいた後には、今回の一番の目的だった蚊帳でできたお洋服をお店で選びました。
実は今回このお洋服を実際に見たかったのは、ある目的があってのこと。
それは実は。
私がこっそり自己満足でやっているイベント、「REAL MOTHERS DAY」で、母にプレゼントしたかったからです。
このイベントを始めたきっかけは数年前。自分自身が子供を出産した年のことでした。
世界中で一般的に知られている母の日は、もともとはアンナ・ジャービスというアメリカ人女性が、教会で亡き母の追悼式を行った際に、生前お母さまが好きだった白いカーネーションを参列者に配ったことが起源といわれています。
それまでの私は、母の日を迎えるたびに「お母さんってすごいんだなぁ・・・」と何の疑問も持たず、またたくまにお嫁に行ってしまう花たちを見ては圧倒されていました。お店にできる列を見るたびに、これだけたくさんの方々が、自分のお母さまに対して感謝の気持ちを伝えたいと思っているのだ、ということを実感し、母の日は花屋の一大イベント!!と毎年気合を入れて、商品を考えたりオペレーションの確認をしたりと、準備に余念がありませんでした。そして自分自身も「母の日だから」という理由で、お店で買ったお花をプレゼントすることがいつしか習慣となりました。
8年前に自分自身が母になったときに、ふと疑問を感じました。
それは5月の母の日に対してではなく、そのあとにやってくる7月の自分の誕生日に感じたちょっとした違和感がきっかけでした。
私の誕生日は果たして自分がお祝いしてもらう日なのだろうか?
私、生まれた以外になにかいいことしたかしら。
この日に一番思い入れがある人って本当は誰なんだろう。
いろいろ思いを巡らせ、心の中にストンと落ちたのが、「私が生まれた日」は「母がわたしの母になってくれた日」ということでした。
それに気づけた時から、毎年自分の誕生日には、母に贈り物とともに産んでくれた感謝を伝えるメッセージカードを添えて(普段は本当に恥ずかしくて言えないことですが、この時ばかりは勇気を出して・・・!)プレゼントすることが、自分にとっての母の日イベントとなりました。
とはいえ、もちろん母の日は母の日でささやかながらお花のプレゼントを欠かさず(それはもう、私は花屋ですから)、母の日は年に2回。母にありがとうを伝えるチャンスがちょっと多めにあることは、とても幸せなことだな・・と感じています。
そしてひそかにこのこっそりイベントを世界中に広めることができたなら、これを「あたりまえ」にできたなら、とても幸せなことだな・・・などと思いながら、ひっそりと続けている習慣なのでした。
小さい頃には大きく見えた母の背中も、年々まあるく小さく、だけどやはりあたたかくて。
すっかりかわいらしいおばあちゃんですが、いまでもこんな年になっても時々小さな口げんかもしちゃったりしますが。
この世に産んでくれてありがとう。おかげで私は毎日たのしくて、しあわせで、意気地がないので時々は下を向いてしまうこともあるけれど、あなたゆずりの負けん気でよいしょ!!と顔を上げてまた歩き出し、今日まで間違いなくいい人生。
あなたの娘にうまれて、私はラッキーです。
帰り道。
雲の切れ間から太陽の光が見えて、なぜだかわからないけれどぼんやりと母の顔が思い浮かび、思わず口元がゆるみました。
■おまけのお話■
こちらは自宅用に、蚊帳ふきんをいろいろ。
色合いが本当に美しく、キッチンに立つのが楽しくなります。